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TOP > エロゲーのレビュー > 『らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~』 レビュー&感想│ エロゲーの現場は、最低で最高な場所だった

    らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~ 

     

    評価│★★★★(4.0)



    堕落する準備はOK





    <!>エロゲーを作る青春群像

      プレイ時間
      25時間
      面白くなってくる時間   1時間~
      おかずにどうか?   使えない
      お気に入りキャラ
      杏(妹)
    ―――
    原画 やまとなをゆき , Karen(おまけシナリオ 「ぼくのたいせつなもの」)
    シナリオ 連悠太 , foca(おまけシナリオ 「ぼくのたいせつなもの」)
    音楽 Ben
    声優 草柳順子(杏) , 金田まひる(亜季) , 松永雪希(美柴 可憐) , 長崎みなみ(千倉 紗絵) , 桜川未央(御守 みか)
    歌手 YUUHIGAOKA(ED曲 「the case of us / 僕らの場合」)
    その他 連悠太(監督・脚本・演出)
    公式HP│ 消滅???


    このゲームのおすすめポイント


    らくえん~あいかわらずなぼく。の場合~ (862)

     

     

    ・ 立ち絵に、通常&ちびキャラという2通りある(可愛い)
    ・ ダメダメ人間たちが、エロゲーを作る!
    ・ 会話劇がほんと面白い。センスありすぎです。


    ■この物語には、誰かが死ぬとか、秘密結社と戦うといった大きな起伏はない。ダメ人間がダメな人に恋した、そんなただの日常。だらっだらの毎日を描いた作品なのだ――


    これ企画した人でてこい!!ww


    こんな売れなさそうな企画を出した人を、私はスゴイと思う。それを開発しようと思った会社もスゴイ。開発したクリエイターたちもスゴイ。そしてそんなゲームがすごく面白い。

    エロゲーってすごいのです。



     

    OP 『らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~ 』







    ギターリフがかっこいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃ!!!


    キャラ順位



    1位

    らくえん~あいかわらずなぼく。の場合~ (94)


    堂々の1位は、とても主人公思いの妹の杏(あん)ちゃん。

    もうにーにーちゃんは仕方ないなあ、といいつつ甘やかし優しくしてくれる彼女はほんと天使。都会のオアシスといえば、杏ちゃん!

    それくらいに妹好きにはたまらない、妹オブ妹なのです。

     


    2位 亜季
    らくえん~あいかわらずなぼく。の場合~ (606)

     

    2位は妹の亜季。杏とは双子なのです。
    杏が優しい妹だったら、亜季はナマイキな妹。でもこのナマイキさにずきゅんときます。リアル妹ぽいですね。

    「にーにーちゃん、くさい」
    「にーにーちゃんに彼女ぉ? ははは」


    みたいな感じです。

    ちなみに亜季はエロゲ声優の卵



    3位 御守 みか・美柴可憐


    らくえん~あいかわらずなぼく。の場合~ (95)


    らくえん0002 (23) 

    4位は同着で、みかと可憐です。


    みかさんは、エセ関西弁のほわほわ~ん系。まったりですね。
    対して可憐は、大人の分別がハッキリしている先パイって感じがします。二人とも独特のキャラですが、とても好きです。



    みかさんは人気エロゲ原画家、可憐は凄腕グラフィッカーです。

     

     

    4位 カントク・マーキー

    らくえん~あいかわらずなぼく。の場合~ (25)

    らくえん0002 (90)

     

    4位は男性陣。エロゲ会社「ムーナス」のカントクとプログラマーのマーキー。

    カントクは「監督」であるにも関わらず日夜パチンコに性を出しているダメ人間。マーキーはめちゃくちゃなコードを書くダメプログラマー。


    ええ、そうです。『らくえん』はダメ人間しか出て来ませんw

     

     



    5位 千倉 紗絵



       らくえん~あいかわらずなぼく。の場合~ (127) 

     

    5位は千倉 紗絵。エロゲーのシナリオライターです。

    彼女にはなんとも魅力を感じませんでした。嫌いじゃあないんですけどね。

    それと個別ルートがちょっと人によっては厳しかったりします。ここを加味すると、大分評価が低いです。

     

      

     



    <!>ここから本編に触れていきます。

     

     


    ダメ人間たちばかりだけど、彼らは決して駄目なんかじゃない

    らくえん~あいかわらずなぼく。の場合~ (234)

    パチンコばっかやってる、カントク。
    線はガタガタの原画家。
    キャラが死んでるシナリオライター。
    バグだらけのプログラマー。
    すぐに噛みつく凶暴なグラフィッカー。
    発声がダメダメの声優の卵。
    右も左も分からない中学生の制作進行。

    そんな落ちこぼれのダメダメの人間たち。主人公はヲタクでエロゲー大好きの浪人生なのに、エロゲーの原画抱え込んでるダメンズ。

    けどそんなダメな彼らは、決して"駄目”な人間ではなかったのだ。



    例えば、杏ルート。
    にーにーちゃんは仕事に耐え切れなくなって、杏と逃げ出してしまいます。嫌なことから逃げて、仕事放り投げて、妹に甘えてエッチしたところで杏がこう聞いてきます。

    どこに行こうか?
    ……どこでもいいか?
    うん。いいよ
    どこだって楽園だよ

    …………楽園なんか、どこにでもあるよな
    ふたりいっしょなら。ね

    (杏、にーにーちゃん)

    僕は…………堕落する
    いまよりずっと。これからもずっと。
    堕ち続ける


    普通ならここでもう仕事場に戻らないかなと思います。しかし、にーにーちゃんと杏が向かった先は「ムーナス」。

    つまり、彼らは逃げなかったのです。仕事場であるムーナスに戻ってきっちりエロゲーを完成させます。

     

    僕は…………堕落する
    いまよりずっと。これからもずっと。
    堕ち続ける




    このにーにーちゃんの言は、本来の「堕落」とは別の意味なんですよね。落ちぶれること、怠けること、駄目になること。そういった意味じゃありません。

    "堕”ちる先は停滞という安楽ではなく、どこまでも続く辛く非情な現実という場所。

     

    可憐「おかえり」
    杏「にー兄ちゃん。完成したよ! マスター」


    だから、最後は現実に戻ってエロゲーを完成させることが出来た。

     

     

    堕落する準備はOK? の意味

     

    『らくえん』では「堕落する準備はOK?」というフレーズがたびたび使われます。私が覚えている範囲では以下のシーンです。


    ・美柴可憐がにーにーちゃんを引き入れようとする時。
    ・杏がムーナスでお手伝いしたいと言った時。
    ・亜季が声優になりたいって言い出した時。
    ・亜季とエッチする時。
    ・カントクが怪我をし、にーにーちゃんが監督代行する時。
    ・可憐と主人公がまたエロゲーを作る時。


    「堕落する準備はOK?」


    と聞かれるなり、言うなりしてます。前述したとおり「堕落」というのは「現実」に"堕ち”るって意味です。それもただの現実じゃない。「社会的な現実」っていう意味なのです。


    どういうことかというと、にーにーちゃんや妹達は今まで現実で生きて来ました。しかし、社会に密接して生きてはこなかった。


    社会に出て、社会という荒波にもまれて、社会という現実の辛さを体験してこなかった。そんな子どもだったのです。



    らくえん~あいかわらずなぼく。の場合~ (84)


    ・にーにーちゃんは、子どもだという自覚がある。

    大人になれずにいる。
    いろんなことから目をそらしながら。
    あのころから僕らはいまでも、
    あいかわらず子供みたいに無邪気なふりして。



    ・杏は遠い昔に思いを馳せる

    わたしはトロいからすぐに捕まったけど、おにごっこ、亜季ちゃんは風みたいにオニの手から逃れる、にー兄ちゃんがオニのとき、わたしたちはいっつもふたてにわかれた―――――


    ――にー兄ちゃんのベッドの下にはもうなにも隠してない


    ・亜季は社会の汚さに気づいてしまう

    気付いっちゃったでしょ?
    思ってたのと違うって
    思ってたよりずっと深くて黒くて
    最低な最悪な世界だって

     

     

    そんな子どもたちに、大人になるために問われる言葉。覚悟を求める言葉。


    それが「堕落する準備はOK?」なんです。

    rakuen

    アンタはあたしの運命の相手だと思う

    この手をつかめば、アンタをもっと深い世界に連れてってあげる。いやーんな世界よ。

    最悪で最低な最高に最凶なアタシたちの世界よ

    一度知ったらもう、ただのヲタクには戻れないわ。
    なにも知らない単なるヲタクには戻れない。
    それでも。アンタはこっちに来る資格がある。
    アタシには、アンタを連れて行く覚悟がある。

    アンタがその気なら、一緒に見に行く準備がある。
    最低な場所の最高の景色を

    堕落する準備はOK?



    子どもの頃の現実は、現実っていっても生ぬるくも温かい。甘くも酸っぱい。死にたいほど辛くない。そんな母親の胎内みたいな場所。

    安心できて安堵できる「楽園」―――きっと三人にとってはそんな場所だったんです。


    そんな彼らを大人たちが、「楽園」から「らくえん」へと引っ張り出す。手を差し伸べ一緒に歩もうとする、そういった構図の物語なんだと思うのだ。

    ……ムーナスって、どういう意味なんです
    月と地球
    そうじゃなくて

    アバロン、エデン、タネローン、パラダイス。
    ……呼び方なんてなんでもいいんだけど
    楽園って意味よ

    (可憐、にーにーちゃん)


    らくえん~あいかわらずなぼく。の場合~ (20)

     

     

    らくえん~あいからずなぼく。の場合~―――社会的な現実に堕ちていく子どもたちのお話。そんな最低で最悪で最高で最凶な現実は、そんなに悪くないっていう物語。

    楽園はないけど、らくえん(楽しい場所)はどこにでもあるのさ。

     

     

     

     



    心に残った言葉


    ・可憐

    甘えんな死ねそして生き返れそして働け

    悪くないのに謝るのはおバカのすることだニャ~


    妹だからって独占できると思ってないか?

    よせよせ。リアル妹は。他の男とデキて大好きな
    お兄ちゃんのコトなんか一瞬で忘れ去るもんだぜ
    その点、2次元妹だったら絶対に
    お兄ちゃんを裏切ったりしないにゃー

    みんなエロは求めてるでしょ
    男なんて射精したいだけじゃん


    ・亜季

    アダルトなのはいいの。18禁なのもいい。
    エロくても過激でもありえなくてもいいの。
    くだらなくてもつまんなくても売れなくてもいい
    作ってる人が本気なヤツに出たい
    本気の作品づくりにかかわりたい

     

    笑顔で手をふってさよならしよう。
    どんな離れていてもあたしたちは平気だと思う。
    練馬の冬は寒いけど、空気は意外に澄んでいる。

    冷たい朝の風を頬に受けながら、あたしは前を向く。
    大好きなおにいちゃんと、大好きなおねえちゃんが
    守ってくれてた楽園から踏み出してみれば、
    びっくりするぐらいたくさんの道があるってきづく。

    大丈夫。どっちに行ったってOKだ。
    ボロボロになったって平気。
    あたしには、帰れる場所があるんだ。

    さ、あたしの一日を始めよう。
    おもいっきりワガママなあたしを始めてみよう。

     

     

    ・にーにーちゃん

    ただのポルノだったら、こんなもの遊んでくれない!
    終わったあとで仲間と話題にしないっ!

    ただのオカズだったら、こんなにアツくならない。
    真剣になって作ったり遊んだりしない

     

     

     


    プレイ中の雑感コーナー


    現実で生きる。けど子ども心は忘れんな

     

    らくえん~あいかわらずなぼく。の場合~ (717)


    社会的な現実というのは、子どもの理屈が通じない。わがままなんて通らない。好き勝手は出来ない。独りよがりは嫌われる。

    いいか、子供たち。社会ってのはな、優柔不断となあなあと臨機応変で渡っていくもんだ。頑固と意固地はジジイになるまで大切に取っておけ

     

     

    でもそんな辛い現実の中でも、子ども心は忘れちゃ駄目なんだと『らくえん』は教えてくれてるように思う。その象徴的なシーンが、可憐ルートにある。


     らくえん0002 (26)


    ある日、開発を凍結されるムーナス。精一杯作ってきたエロゲーが市場に出せなくなってしまう。そんな窮地を田中という男が救ってくれる。条件さえ飲めば、市場ルートに乗せてやると言ってくれる。


    これは誰にとってもいい話だった。条件だって悪くない、いやむしろ悪いところなんて無かった。誰もがハッピーになれるそんな結末だった。


    けど、それを主人公と可憐は突っぱねる。なぜなら気に喰わないからだ。

    +++++



    ■わざわざ嫌いなヤツに頭下げる必要なんてないのさ

    らくえん0002 (54)


    ……田中さんが言うこと、理解はできるんですけど、納得するのは難しいです

    それに、カントクやマーキーさんや杏のこといらないって言われたのが、やっぱり

    ……ガキですね。僕は。


    いいじゃん。全面的に賛成。
    あんなんでも、あたしらの仲間だからね

    仲間侮辱されてヘラヘラ軍門に下がれるほど、大人になる気はサラサラないぜ

    どんなヒドい方法でも、どんなヒドい相手でも、どんなヒドい条件でも飲む準備ができてるなら

    わざわざ嫌いなヤツに頭下げる必要なんてないのさ


    (可憐、にーにーちゃん)




    ■誰にとってもミニミで出すのが一番だって

     

     

    らくえん0002 (60)

     

    田中だってあれでいいヤツなんだよ。
    オマエらのコトだって認めてるんだし

    あたしたちが、あのバカを認めてないのよ
    ―――

    金の問題じゃないよ。誰にとってもミニミで出すのが一番だって

    理屈ではね。そんなのわかってる。
    でも、どうしてもイエスって言わないのよ

    あたしの感情が

    (可憐、カントク)

     


    ■そんな夢みたいな話、あるわけないじゃん

    らくえん0002 (78)

    ソフトが完成して、大当たりして、バカみたいにお金が儲かったら。いつかゲーム会社作りたいですよね。……この場所で。

    …………バッカみたい

    そんな夢みたいな話、あるわけないじゃん

    アタシたちの未来はね、ゲームが完成して、大外しして、バカみたいな借金が残るんだよ

    それを返すためにあたしたちはカタギになるんだ。地に足つけて、額に汗して、手にマメ作って、マジメキマジメに働くんだよ

    更生する準備はOK?

    いいえ。そんな準備はできてません
    当面、するつもりはないです
    そだね

    とにかく。
    僕たちはもう一度全員揃って(ひとり入院)。出所不明の借金1500万円を背負って。

    もう一度。もう一度だけ。最低で最悪で最高に最凶なこの世界で。ハッピーエンドを目指す。


    +++++


    "気に喰わない”ただそれだけで、田中が提示した好条件のお話を蹴ってしまう。これは大人がやることではない。子どもがやることだ。

    でもいいよね? だって気に喰わないんだもの。イエスって言いたくないんだもの。だったらあとは納得できるENDを見つければいいんだ。

    遠い昔、まだ小さかったあの頃のように、自分が一番納得できるハッピーエンドを目指す。そんな大切なことを教えてくれているんだと思う。


     

    いつでもどこでも何度だって、僕たちは子どもに戻れるんだ


     

    可憐ルートでムーナスからエロゲを出した後、部屋を片付けるシーン。まるで子どもがおもちゃを片付け、大人になっていくような、そんな場面に見えたと思う。

     

    らくえん0002 (110)

    閉めるよ

    うん

    (電話線を抜く。コンセントを抜く。ブレーカーを落とす。僕たちがいたこの場所から、灯りが消える)

    いっぱい遊んだ?

    うん

    (僕はこの場所を一生忘れない)


    これはまさにユーザーそのものを示唆しているんじゃないだろうか?

    エロゲーというゲームをやって、現実から社会から世界から目をそらしている私たち。子どものようにひたすらに遊んでいるエロゲーマー。

    そんな逃避も、コンセントを抜いて、ブレーカーを落とせば、その世界から灯りは消えてしまう。また現実に引き戻されてしまう。

    "いっぱい遊んだ?”

    "うん” 

     

    私はこのシーンは「子どもの時間はおしまい。これからは大人の時間なんだぜ?」と言われている気がした。無性に悲しくなってしまった。

    夢がいっぱい詰まった箱を、ひとつひとつ閉じていく。そんな感じだった。でも。

    でもね、もう一回、ううん何度だって私たちは"子ども”に戻っていいんだ。

     

    らくえん0002 (172)

    可憐が僕に微笑む。
    天使みたいな。悪魔みたいな。
    チュパカブラみたいな笑顔。

    「あんたの原画を塗るのはあたしでしょ? 相棒」

    ふふんと可憐が笑う。
    そうだよ。どうせ。いやじゃないよ。

    やりたいよ。
    いっしょに、やりたい。

    やりますよ。やりましょう。やろう」
    「も一回、やろう」

    「OK、相棒。ヤりまくろうぜ」
    「――堕落する準備はOK?」



    そう言って『らくえん』の物語はは終わる。そうなんだ。戻りたければ何度でも、私たちは停滞した楽しい世界へと行っていい。

    楽しい世界に身を委ねていいんだ。いつまでも、子ども心を忘れないためにさ。

     


    おわり

     
    ほんと楽しめました。こういう会話がメインのゲームっていいですよね。とくに大きな物語の変化があるわけじゃないのに、キャラに惹きこまれてしまうのですー。


    大満足!


    (しかし、いまだに”いちにーちゃん”という要素・謎が分からない。誰かヒントくれないですかね…‥(´;ω;`)ブワッ)

     


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    ■ちょっとしたコラム

    妹に萌える3つの条件について考える。大事なことはすべてエロゲーが教えてくれた!

    ■プレイ日記

    らくえん 1日目│ そこはエロゲー現場のウラ側だった
    らくえん 2日目│ 未完成なクソゲーが発売されるワケ
    らくえん プレイ中の雑感 【全て終了】

     

     

    <参考>  

    らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~



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