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TOP > 一般小説 > 【レビュー】未来が見えるカカシがいる孤島とは?――オーデュボンの祈り

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     タイトル
    オーデュボンの祈り
      出版社
      新潮社   発売日   2003/11
      著者   伊坂 幸太郎   イラスト   ???
      評価
      ★★★(3.7)

     

     

     

     

     

     

    ※5.0点が最高得点

     

     

     

    <あらすじ>

    コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。

     

    嘘しか言わない画家、殺人を許された男、「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    大切なことなので二回言います!

    主人公・伊藤――コンビニ強盗犯――がたどり着いた“荻島”は150年ほど島を閉ざしている。

    外との交流を断ち切っているのだ。

    その奇妙な島には、奇妙な住民ばかりが存在する。

     

    嘘しか言わない画家、人殺しを許された男、地面に耳をつけて音を聞く少女といった面々だ。実際にはまだまだいる。

    そして、とっておきは人語を操り、未来を視るカカシがいることだ。

     

    この設定に心を惹かれたら、今すぐ本屋さんに急げ、多分後悔はない。

     

    なぜ二回もあらすじを繰り返したのかだって?

    もう語るべきことはほぼ無いからだ。

    この本にはそれ以外には無い、といってもいい。

     

     

    カカシをコロした犯人は

     

    カカシであるところの“優午”は、誰かに殺害された。

    伊藤が島に来てから翌日のことである。

     

    そしてこのときにもう、誰が優午を殺したのか検討がついてしまった。

    そしてその動機にも。

     

    終盤での謎解きでは、わたしの思っていたとおりの動機であり、犯人だった。

    多少の誤差はあったが「やっぱりか」という感想しかなく、驚きはなかった。

    ありふれているし、普遍的だ。

     

     

    こういう「やっぱりな」の積み重ねが、あっさりとした読後感にも繋がったのかもしれない。

     

     

     

     

    読後感はあっさり風味

     
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    読み終わったあと、わたしの心はあっさりとしたものだった。

    いつもなら物語の風景や、キャラクターたちの掛け合い、衝撃的なシーンを思い浮かべては消し、思い浮かべては雲をただよわせるようにプカプカと浮かべている。

     

    なにを伝えたかったのか、なにを受け取ったのか。

    そういう心に浮かんだよしなごとを、刻み付ける。

    つれづれなるままに。

     

    そこには心地いい読後感があった。

    だが、この本には読後感を感じられなかった。

     

    伝えたいテーマが無かったように思えるし、そもそも何かを受け取って欲しいという意志を感じられなかった。

    面白くないということじゃない、ただ面白かっただけだ。

    “ただ”面白いだけ。

     

    エンターテイメントとしての本だった、ということだろう。

    だから読後感がないのだ。

    心に切りつけるように、刻みつけたい言葉がない。

     

     

     

    「陽気なギャングが地球を回す」のあとがきで、作者はこう言ったそうだ。

     

    現実世界とつながっているように見えながらも、実はつながっておらず、また、寓話のようにも感じられるかもしれませんが、寓意は込められていない。

     

     

    この言葉は本書にも当てはまる。

    というかもしかしたらこの作者は、こういうものばかり書いているのかしれない。

     

    といっても、他には重力ピエロぐらいしか読んだことはないのだが。

     

     

    まとめ

     

    ・設定に惹かれたら買いに行けばいいよ!

    ・衝撃的という場面はないけど、わりかし楽しめる!

    ・読後感の薄さは、ぱないの!

     

     

    個人的には伝えたい、伝えなきゃいけない、誰か聞いて!聞いてよ!といったくらいの切実な「想い」がある小説のほうが好きですね。

    それが本の核であり、そこを中心として物語は編まれていくという気がします。

     

    その核がないものは、その時は面白くても二度三度読めるものではない。

    そんなふうに思っております。

     

     

     

     

    え?化物語?大好きですよ!


     

     

    <参考>

    オーデュボンの祈り (新潮文庫)
    伊坂 幸太郎
    新潮社
    売り上げランキング: 3118
    陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)
    伊坂 幸太郎
    祥伝社
    売り上げランキング: 2842


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